5月15日

良い目覚め。幸せだと思う。感情の振れ幅を小さくしたい。9時半に病院。薄手のコートを着たけど暑い。わざと日焼け止めを塗らずに外に出たりしている。同じ薬がまた出て、歩いて帰る。歩くのは好きだ。10時半にホームセンター。フランネルフラワーという花をこの間知って、そういえば苗が売っていた気がするなと寄ってみたらやっぱりあった。天使のウインクという別名が気に入った。花を育てたことがないので、母に連絡しながら土や用具をカゴに入れていく。鉢を選ぶのは人に似合う服を選ぶのに似ていると思った。帰ってきて早速植え替える。スコップの使い方もよくわからない。土をばらばらと溢しつつYoutubeを見ながら植え替えて、センスの無い出来だったけど楽しい。我が家の小さなベランダに置いて水をやると風に揺れてとてつもなくきれいだ。シピちゃんはもしかしたら生きている花を初めて見たのかもしれない。へっぴり腰になってしきりに鼻を動かして観察していた。幸せだと思う。

Youtubeを見ながら声を出して笑うことが戻ってきた。お風呂から上がって身体を拭きながら、私は今誰の役にも立っていないけど、別にそれでも生きていて良いのだな、と実感として思った。自分のことを大切にしましょうと世の中はみんな言うけれど、かなり相当難しいことだと思う。私は誰かの役に立ちたかったし誰かに必要とされたかったし、誰かに大切にしてほしかった。でも、知らない道を歩いて散歩する犬や軒先の花、窓辺に並べられた空き瓶を見てきれいと思ったり、きれいな花を買ってそれを愛でて満ちた気分になったり、ソファに横になって猫を腕枕しながら空を眺め続けたり昼寝したり、意味もなくただ編みたいから編み物をして時間を過ごしたり、本当はそれで良かったのだと思った。こう考えられるのは外界とのつながりを絶っているからで、自分で自分を守れているからで、この先どうしようかという不安は常にどこか頭の隅にあって苦しくもなる。家を整えることかもしれない、と思う。シェルターみたいな場所を物理的に作ってしまえば、私の漠然とした不安は案外消えるのかもしれない。