3月6日

今月、北海道に行くことにした。それでなんだか憑き物が落ちたような心持ちでいる。先週の4日、土曜日は山に登った。私は典型的なインドア人間であって、そんなことをしたのはほとんど初めてだった。昨日は高校時代の先輩と昨年夏ぶりに飲みに行った。ある日突然消えることを変わらず考え続けている。これからどうすれば良いのかも延々に悩んでいる。でも昨日先輩と話しながら、おそらく私は多くを諦め切ったのだ、と思った。それは悲しいことでもあるけれど、救いでもあった。それは私が傷を負いながら努力し続けてきたからだった。求めるような人間はこの世にいないだろう。いくら主張しようが説明しようが、誰かと芯から理解し合えることは生きている限りないだろう。理想の関係を構築できないまま人とは離れていく。自分の人生は自分だけしか背負うことはできない。他人の人生は背負うことはできない。誰に出会ってどこに住もうが埋まらない穴は存在し続ける。孤独からは逃げられない。それを心から理解するために、私は最後の最後まで苦しんできたんだと思った。求めているものは存在しない、その諦めは長く続いた苦しみからの解放だった。どこに、誰に、何にも縛られることもなくなった。試合は終わった。寂しさが横たわっている。長い長い映画を見終えてしまったような気持ち。じゃあ次はどこに行くんだろう。それでも尚手に入れたいものはなんだろう。人間として良く生きて良く死ぬために。人生は長いらしいから。