11月8日

出勤。劇団四季のリトルマーメイドのアルバムを聴く。もし夢が叶うなら他には何もいらない。歩いて走って陽の光を浴びる。いつか。いつになる?ショーウィンドウは変わらずだけど、コンコースの大きなシャンデリアは鈴型のフレームで囲われた。百貨店の入り口上には白い枝とオーナメント。乗り換えの道と阪急梅田駅のホームの美しさに毎朝救われる。「Born To Run」を聴いて歩きながら泣いた。ごちゃごちゃ悪く考える割には向こう見ずの真っ直ぐさを失いたくない気持ちがある。愛すことに永遠に憧れがある。値する存在を探し続けている。

 

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会社の人と話すのは純粋に楽しい。楽しいものを手放そうとする自分の思考回路。腰が痛い話。飲みに行きたい話。クリスマスイブとクリスマスが完全に土日に被っていてどうしようかと思案していたけど、去年に引き続き飲みに行ってくれるかもしれない。行けたらいいな。昼休憩に「Badlands」を聴いた。

 

 

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仕事が暇なので人魚姫を青空文庫で読む。自分の状況が変われば惹かれる物語が変わる。選択と自己責任の話。手に入らないことを理解して、家族を失い、声を失い、歩く度にナイフに刺されるような痛みを受け、命まで差し出すお姫さまを愚かだと思えずにいる。

皆既月食。ピザを頼む。海辺で見る。ぽっかり浮く球体。あそこに行った人間がいる。デメルのチョコを食べる。明治の板チョコが美味しい話。美しいことほど書けない。ここまでの数ヶ月間それを己のためにつぶさに記録しようとしていたけれど、もう意味がないことなのかもしれないと思う。自分のために記録するより、隠したままでも誰かに気付いてほしい。希望が叶わないことを知る。理解していると言いながら諦めきれない。人の前で泣ければいいのに何故かそれもできない。感情を素直に出すことがトラウマになっている。電車で家に帰る。お湯張りができるようになった。重罪の前で撤回される罰。瞬間の幸せを噛み締めることが大切だと思ったのに、それ程愚かで惨めなことはないとも考える。結局失うものに、せめて今だけはと縋る悲しみ。それを超える愛情は尊いのか。自分が消えればどうにか尊いものに昇華されるだろうか。