12月31日

人生の中でもトップクラスに色々あった1年だった。29日にどうにか引越しを終わらせ、今日も荷解きと片付けをしていた。和室の窓辺に座って、左手でシピをあやしながらこの文章を打っている。1年を振り返る気にはなれない。振り返ろうとしてみるのだが、年越しそばを茹でている最中にケージからご飯を催促する大声が聞こえ、今日一日食欲がなかったシピを心配し続けていた私は蕎麦そっちのけでシピの食事の用意をした。ご飯を与え終わって年越し蕎麦の調理に戻り、和室に置いたポリ袋を取りに入るとケージの中のトイレ砂がめちゃくちゃこぼれている。茅乃舎の年越し蕎麦を駅のホームの立ち食い蕎麦のスピードで食べた。早くケージを掃除してやらないといけない。1年を振り返ろうにも暇がない。シピの猫カビはいつ治るだろう。薬の副作用は出てないだろうか。ミルクをあまり飲まなくなったのに水も飲んでくれなくて不安が募る。ドライフードはいつから食べてくれるだろう。シピはどんな成猫になるんだろう。瞳の色は?毛の長さは?真っ黒のままだろうか。模様は出てくるだろうか。どんな性格になるんだろう。ケージから出せるくらい大人になった、そこからの生活が楽しみだ。シピが全ての部屋を行き来する姿を思う。起こった出来事を思い返すよりも、明日の心配が頭を埋め尽くしている。子猫は悲しさや苦しさや反省や後悔を感じる暇を与えてくれない。シピはグルグルと喉を鳴らしながら膝の間で眠り始めた。シピを撫でながら何度も泣いている。幸福がある。