12月11日

昨晩大学の同級生2人が遊びに来た。仕事だったので退勤と同時に車で拾われて、ディナークルーズを楽しんだのち私の家で一泊。今日は起きて朝ごはんをカフェで食べた後、アウトレットモールに寄ってから岐阜へ。16時半頃にさらに2人と合流して、同級生が5人集まる。田舎の店はどこもラストオーダーが早い。3件目に駆け込んだバーミヤンで30分に満たない同窓会をした。この日私を家に泊めてくれる友人は、月曜の仕事に向けて帰らなければいけない3人を駅まで車で送ることになり、居残りの私は1人ハイボールとザーサイをつまみながら岐阜の観光スポットを調べる。

20分経ってバーミヤンに戻ってきた彼女が一息ついてスマホを見て、困惑して笑いながら画面を見せてくる。バケツに入れられた3匹のこねこの写真だった。彼女の夫の仕事場にいたらしい。そんなタイミングあるか。欲しい、と私は即答していた。当たり前だ。何のために必死こいて新居を探したんだ。それでようやく良い家を見つけて、次は厚かましくもこねこが欲しいと願ったのだ。すぐに母に連絡をした。日中仕事がある自分1人だけではどうしたって育てられない。既読がつかないから電話を掛け、LINE見て!と伝えて電話を切ってすぐ、もらい、と返事が来た。それでそのこねこは今晩友人の家にやってくることとなる。やっぱり閉まるのが早い田舎のドラッグストアの中からまだ営業している店舗を調べて、猫用のミルクと離乳食、人間の赤ちゃん用のスポイトくすりのみを買った。自分とは一生縁が切れたと思ったベビー用品コーナーで、哺乳瓶を真剣に見比べながらかわいい、高い、と叫んでいる自分が愉快だった。

友人の家にお邪魔して飼われている猫と遊んでいると、彼女の夫が帰宅する。外からニイニイと高い声がするのを、私は玄関口の柱に半分隠れて震えながら聞いていた。ドアが開いてとりあえずこんばんは、お邪魔してます、と挨拶して、なんだか黒いふわふわした物体を渡され、持ち方がわからず身体によじ登られて、パニックになっている間に再び友人の夫の手にこねこが渡る。体を拭かれ、お湯と石鹸でがしがし洗われ、轟音のドライヤーで乾かされても尚こねこは呑気で元気で楽しそうだった。スポイトでミルクをやって、おやつをやって、離乳食もやって、遊ぶ様子を3人で見る。脚の間に収めてそろそろと撫でる。ニイニイ鳴くこねことひとしきり遊ぶと日付は変わっていて、こねこを籠に入れお風呂をいただいた後に眠ることにした。きっかり2時間半後、深夜3時半に尋常じゃない鳴き声で叩き起こされる。眠い目をこすって1階のキッチンに降り、寒い中1人ミルクを温める。こねこを籠から出して、片手で抱っこしながらスポイトでミルクを飲ませる。飲むのも下手。やるのも下手。手と服と床がびたびたになっていく。鳴き続けるのを抱っこして落ち着かせる。眠くて横になって胸の上に乗せてあやすと、こねこは私の顔を見てびゃーーーーと長い声で鳴いた。猫語がわからなくてごめんねと謝り、満足がるまで撫で続けて、また籠に戻す。こねこはしばらくびゃあびゃあ鳴いていた。